3. 眠り姫と夢の空想儀
[00:00.97] 『遠く離れた別の場所。
[00:03.80] 5年もの長さに渡って意識不明の
[00:06.79] ”ミリリ”という少女がいた。
[00:09.35] 眠り姫と呼ばれ、
[00:11.47] 病名もわからず
[00:12.98] 家族さえもあきらめかけていたある日、
[00:16.16] 彼女にとっての朝がその瞬間に
[00:18.84] 訪れたとでもいうように突然に目も覚ました』
[00:24.62] 「ここは?あれ?あたしは、
[00:28.80] レジスタンスにいて……戦って――」
[00:34.11] 『自分の名前も覚えている。
[00:36.77] 周囲で涙する
[00:38.10] 家族のことも間違いなく
[00:39.61] 記憶している。
[00:42.02] けれど、眠っていたはずの空白の5
[00:44.33] 年間の記憶は、ミリリではなく、
[00:47.69] カナリアのものとして
[00:48.67] 存在して……』
[00:51.77] 「シグ――!」
[01:14.08] 記憶の混濁に 酷い眩暈と共感覚
[01:24.10] 長すぎる眠りに視たのは非現実?
[01:43.52] 歓喜する家族に
[01:48.29] その物語の事を話しても
[01:53.33] 「夢を見ていたの」
[01:57.59] と優しく諭されるだけで
[02:03.07] そうは思えない
[02:08.12] 言いようもないリアリティ
[02:12.90] 彼に触れた腕その体温が
[02:18.11] ねぇ、まだ今も残っているのに
[02:23.18] 空想儀上で乱反射した揺蕩う
[02:29.04] 二つの視点
[02:32.94] バラバラ切り刻まれてただ
[02:36.04] 摩耗するなら嫌だ
[02:38.69] 向こう側でまた眠っていたい
[02:46.84] 『薄靄は晴れぬまま、
[02:48.76] この自分に慣れようと日々を
[02:50.63] 過ごしていると、
[02:52.23] 人づてに聖女様が率いる
[02:54.54] レジスタンスのことを
[02:55.58] 耳にしてしまう』
[02:58.57] 「やっぱりただの
[02:59.53] 夢なんかじゃなかった。
[03:01.92] あれは、みんな現実だったんだ……!」
[03:04.57] 駆け出したくなる衝動抑えて
[03:11.48] 深呼吸ひとつ
[03:14.14] 平静装った 気付かれないように
[03:33.01] 過保護な母親と父を
[03:38.85] 愛していないわけはない
[03:42.84] けれど同じくらい大切な
[03:49.48] 場所ができたんだ
[03:52.04] とても言い出せない
[03:56.81] 真っ直ぐに目も見れない
[04:01.60] ここにいるべきとわかってる
[04:05.76] でも、今すぐみんなに会いたくて
[04:11.50] 空想儀上の物語を
[04:16.04] 忘れてしまうことはできない
[04:21.08] 半身をその地に置いてきた感覚が
[04:27.99] 消えないから
[04:30.65] セカイのどこかで今この時も
[04:35.44] 戦っているだろう彼らは
[04:40.47] 悲しいけど少しずつ命を
[04:43.93] 落としていく
[04:45.52] 決断は今しかできない
[04:50.04] 試しに弓を射ていても
[04:54.56] カナリアと違い上手くは飛ばない
[04:59.61] 思考に体がついてこない
[05:04.12] これじゃ彼の背中は守れない――?
[05:09.43] それぞれ道は別れ
[05:13.94] 乱暴に引き離されて
[05:18.72] それでも自分の意思で
[05:23.77] 戻る道があるなら……
[05:31.13] 「彼は、シグは――今も確かに存在する。
[05:35.74] じゃあカナリアは……?」
[05:39.43] 『少女は、大切な家族に手紙を書き残し、
[05:43.07] 必ず戻ることを記して誰にも
[05:45.72] 見つからないようにこっそりと村を出る。
[05:49.61] どれだけ 旅をすればそこに
[05:51.65] 辿りつくかもわからないまま。
[05:54.58] 一秒でも早くその場所に戻りたいと願って』
[06:00.60] 「あたしの居場所は、
[06:02.11] きっとあの背中の裏側。
[06:05.73] 例えもう
[06:06.17] 戦えないとしても……やっぱりそこ
[06:09.88] にいたいんだ」
